2021.09.28 日誌
本園では
愛媛大学教育学部特別支援教育講座教授 吉松靖文先生に定期的にお越しいただき、
お子様の特性を理解し、活かしていく支援の在り方についてご指導いただいております。
先日の巡回指導を受けて…
「こんにちは、なにしてるの?」
「~できるようになったんだね、すごいなあ」
「おお、かっこいいね」
「~できたからうれしいね」
吉松先生は、その穏やかな雰囲気と優しい口調や表情
子どもたちが嬉しくなるような声掛けで
いつも自然と子どもたちに受け入れられているように感じます。
子どもたちの様子を観察されたあとは
子育ての中でお子様の発達に心配や気になる点について
面談を希望された保護者の方とのお話。
その中からいくつか紹介します。
Q 落ち着きがないところが気になります。
A それだけ意欲的という事ですよね。それは素晴らしいことです。
1つのことに集中できないということは色んなことに興味を持っているという事。
ピッタリなものが見つかると、おのずと集中します。どんなことが好きですか?
Q 特別支援学級を希望した方がいいですか?
A 通常の学級ではついていけないから選ぶのではなくて
その子がどこで学ぶのが最良かを考え、どちらがいいかを選ばれたらいいと思います。
特別支援学級は、よりよく学び、将来よりよく生きていくための場だと考えてはどうでしょうか。
Q 就学に向けて、周りに合わせられるようになっていってほしい。
A いま興味のあることや、好きなことをたくさんすることの方が大切です。興味のあることや好きなことを
やりきるのためには、自分だけの世界だけでは足りず、周りの理解・協力が必要になります。そうなれば、
自ずと周りに合わせる意識も育ってくるものです。
“自分の楽しいことを一緒に楽しんでもらう” ことから “みんなとした方がもっと楽しい”に
かわっていきます。
Q 人に気持ちが伝えにくいので、表現できるようになってほしい
A 子どもの気持ちが分かっているなら、こちらがそれを言ってあげればいいんですよ。
曖昧な時は「~したいの?」「~でこまってるんだよね?」などと訊いてみる。
子どもの気持ちが分かっているときは、ズバリそのことを言ってあげればいいですよ。
言ってもらうことで、子どもは自分の気持ちをことばで気付き、語ることができるようになります。
…
ところで、大人はずるいですよね。
子どもには「~しなさい」「嫌いでもたべなさい」「苦手でも頑張りなさい」
自分は、あれこれと理由を付けてしないことが多い。子どものことを思ってのことであることは
よくわかりますが、大人の思いを押し付けすぎではないでしょうか。
それでは、自分で考え行動できない人になってしまいます。
Q みんなと同じように活動できるようになってほしい
A お子さんは、とても想像力が豊かで、絵や工作…いろんなアイデアを思っていますね。
それが周りの子どもたちのいい刺激になっています。
助けられる存在ではなく、得意な分野においては影響力を持った存在ですね。
これは、まわりと同じように活動するよりも特別なことなんですよ。大切にしてあげてください。
いつも吉松先生のお話を受けて感じることは、
私たち大人が「させる人」になってしまいがちということです。
~できないといけない、~できないとこまる、~するのはやめてほしい…
そういった思いから、子どもたちにかける言葉が
“~しなさい、~はダメ”といった命令や禁止の言葉ばかりになってはいないでしょうか。
どうしてするのか、だれが困るのか、いつしていいのか…きちんと理由を伝えて
子ども自身が納得し、自分の意志で行動できるような援助、声掛けをしていきたいです。
また、これは以前にお聞きしたことですが
“否定は難しい”ということです。
「~したらいけない」→「~で、やってね」「~だとできるよ」と
肯定的な言葉に変換すると伝わりやすいようです。
こう言われたほうが、気持ちもいいですよね。
大切なことは、子ども自身がどう感じているか、何がしたいのか
子どもの立場に立って考える事だとおもいます。
一人ひとりが自分らしくいきいきと過ごし、それぞれの良さ、強みを生かして活躍できる毎日であるよう、
吉松先生のお話を胸に刻み、子どもたちのお手伝いをしていきたいと思います。
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