2021.03.02 ブログ
先日、海の星幼稚園では、子どもたちのお料理活動を保護者の方にご参観いただきました。モンテッソーリ教育の実践園では、お料理活動を次のように捉え、大切にしています。
一つ目には、お料理をつくることのみに重点をおくのではなく、“手を洗う”“エプロンをつける”ところから始まり、道具の配置や、途中使った道具を洗う、片付け、机の上や床の上を拭いたり、掃いたりと整えるところまで、全てがお料理活動に含まれており、準備から片付けまで、子どもたちが行います。
二つ目には、これらのお料理活動に至るまでには、毎日の生活の中で、本物の包丁で野菜を切ったり、食事の前に机を拭いたり、雑巾をしぼったり、コップにお茶を注いだり、お盆に物を乗せて運んだり…。等々、様々な経験を積み重ねています。
これらの積み重ねによって、物の扱い方や身体の使い方、コントロールの仕方等が自然に身に付き、お料理活動へとつながっていく準備がされているのです。
三つ目には、子どもには事前に、一通りの料理の過程や活動の内容を、教師のデモンストレーションで見た後、それぞれが自分でやりたい活動を選び、やりたい場所に座って活動を始めます。一つの活動に満足すると、別の活動に移る子どももいれば、一箇所で長く同じ活動を続ける子どもも。と、様々です。
そして、自分で見通しをたてて、今何をするべきか、次は何をしなくてはいけないか。という自分で自分の段取りをたてながら動きます。また、誰かに指示されるのではなく、したいことをどれだけするか、ということも自分で決めます。
これらの姿は、毎日の生活の中で、自分の意志を働かせ、選びの生活をしているからこそできることであり、そして、こうしたお料理活動は、日常生活で培われた様々な力を総動員した活動だと考えています。
当日は、保護者の皆様の理解とご協力の下、子どもができるだけいつもと変わらない動きができるよう静かにご参観いただくことができ、子どもたちの中に積み重なっている育ちを見守っていただけたと思います。
料理を進めていく中で、食材(例えば、豆腐とにんじん)によって切る感触が違うことを感じ、調理と共に変化していく色(ゆでる前とその後)に驚き、“ぱちぱち”“ぐらぐら”という音に耳を澄ませたり、炊きあがったご飯の香りをいっぱい嗅いだり・・・等々、五感をフルに刺激しながら出来上がった食事の味は格別だったようです。おいしいね、おいしいねと何度もおかわりする姿も見られ、とてもうれしく思いました。
海の星幼稚園
園長 上田礼子
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