2020.03.18 ブログ
「人生に必要な知識はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という格言を耳にした事がある方は多いと思います。
入園してまだ間もないころ、じっと砂場を見つめて立っている園児さんがいます。きっと砂に触れて遊ぶ経験がないのかもしれません。教師がスコップを持ち、カップに砂を入れてカップをひっくり返すとプリンの出来上がり!子どもの笑みがこぼれます。
こうして道具を使って砂で遊ぶ楽しさを味わっていくのでしょう。
3学期に入り3月上旬、年長男児4人の砂場での様子を紹介します。
A君が遊びの指示を出していることが多かったですが、それぞれが適当な間隔を取りスコップで穴を掘っています。砂場から離れた洗い場に行きバケツに水を汲み、彼らが掘った穴に水を流し込んでいました。そばで見ている仲間の一人が川を造り始めました。水を流し込んだ穴とつなげて川造りが始まりました。
仮園舎の砂場の砂はきめ細かく深さがあるので、すぐ沈んでしまうのです。水を運ぶ役割を引き受けたら、二つのバケツを持って小走りで水を運んでいます。とても忙しそう!
他は、造った山の裾を掘り始めました。トンネルです。すぐ川とつなぎ、水を流して流れを確かめています。
砂場の半分ほどのスペースは、彼らのパノラマです。さらに汲んできた水を勢いよく流すと、水の流れ、動きを確認できその都度大きな歓声を上げていました。4人とも生き生きした表情でした。
彼らはさらに川の流れを広げていこうとしています。
クラスの当番さんの昼食準備ができた鐘が鳴りましたが、4人は何も気づかないようでした。
昼食を食べ終えた園児が園庭に出てきたころ、それぞれ役割を持ちながら造り上げたこのパノラマを、誰からということなく、自分たちで壊し始めたのです。
そして使った砂場の道具を、水を入れているたらいの中で洗って分類して片付け、食事にむかっていきました。
完成したパノラマではなく、納得、満足するまで4人で取り組んだその遊びの過程が尊く大切で、素晴らしい事なのだと思いました。
八幡浜聖母幼稚園
園長 白濱小枝子
カテゴリー
アーカイブ