2020.03.03 ブログ
先日、あるクラスの年長児が劇遊びのための役決めをしていました。「○○役したい人?」担任の先生の問いに、子どもたちは手を挙げて自分の希望を伝えています。見ていると、希望が叶う人もいれば、1つの役に2人の人が希望するということが起こりました。希望者多数の時にどう決定をするのか、ジャンケン、くじ引き、2人ともがその役をする等想像するところですが、その担任の先生は、子どもたちに「お話してみよう。決まったら教えてね。」とだけ伝えて、その場を離れました。
AちゃんとB君のやりとり
A:「わたしねぇ、○○役と△△役、どっちもいいなって、ほんとはまよいよるんよねぇ。」
B:「えー、ぼくはぜったい○○役がいいけど。やりたいなぁ。」
A・B:「どうする?うーん。」2人とも頭をかしげて考えます。
A:「じゃあいいよ、わたし△△役にしようかな。」
B:「えっ、いいの?やったー!」
話し合いの結果、○○役はB君に決定。嬉しそうなB君でしたが、Aちゃんもすっきりとした表情でした。周りで見守っていた子どもたちも「きまってよかったね。」とほっとしているようでした。
子どもたちに任せるというかかわりによって、
・自分の思いや考えを伝えることができた
・相手の思いや考えを知ることができた
・どうすることがいいのかを一緒に考えることができた
・今回は、Aちゃんが譲る、B君が譲ってもらうという経験ができた
・周りの子どもたちは、そのやりとりを見聞きすることができた
Aちゃん、B君、周りの子どもたち、頭の中でいろいろと思いを巡らしたことでしょう。
もし、AちゃんとBくんの話し合いが難航していたら、きっと、周りの子どもたちが仲介役となってくれていたと予想します。
『自分の思いを言葉にして伝える』ことは簡単ではないと思います。園で心掛けているかかわりとして、
大人がじっくり耳を傾けると、子どもは安心して話せると思います。
なかなか言葉にできない時、「○○ってことかな?」と確認をしながら尋ねたり、「こういう時には○○って言うといいよ。」と伝えたりします。
子どもたちは、私たち大人が他者とかかわる際にどのような言葉のやりとりをしているのかをよく聞いています。見本となる言葉かけをしたいものです。
よく耳にする、アクティブ・ラーニング(=主体的・対話的で深い学び)。自ら学ぶ意欲の育成、思考力、判断力、問題解決能力は、子どもたちの主体的なかかわりによって培われる力と言われています。これからも、子どもたちの育ち合い・学び合いの場面を大切に保育に努めたいと思います。
愛和聖母幼稚園
園長 廣瀬淳子
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