2018.09.21 ブログ
8月20日。夏休みも残りわずかとなったこの日、
ロザリオ学園8園の教員が一堂に会し、夏の研修
会を行いました。テーマは“幼児の音楽”。講師に
京都モンテッソーリ養成コースの委員長である岡
山眞理子先生にお越しいただき、ご指導いただき
ました。
その内容を一部ご紹介させていただきます。
◯子どもの感性が豊かであること
幼児の音楽のベースとして、まず“日常生活の中でどれだけ子どもが四季折々の自然に触れ
あっているか”が重要である。
例えばたんぽぽの綿毛のフワフワ。真っ赤に燃える海の夕焼け。たき火のパチパチたてる音。
落ち葉を踏みしめた感触。水に触れたり、雨を感じたり、香りを嗅いだり、風を感じたり…。
こうしてたくさん自然に触れて、心揺らし、そこから音楽は育つ。
一つの曲を楽譜通り演奏しても、演奏した人によって一人ずつ違いがでてくる。そこにはそれ
ぞれの表現力があり、感性が豊かになると豊かな表現力となる。幼児の音楽にとって最も大
切なことは、心豊かになるような日常生活を大事にすることだ。
◯大人が歌い継ぐこと
良い絵本の一つの目安として、“出版されて20年以上たっているもの”とよく言われるが、
歌もまた同じことが言えるだろう。
童謡、わらべうた、昔話のうた…等々。子から子へ、大人から子へと脈々と歌い継がれてきた
これらのなかには、美しい日本の言葉があり、日本の風景、四季折々の自然の姿がある。しか
し現代、だんだんそうした歌が歌われなくなり知らない大人が多くなっている。これはとても
残念なことだ。だからこそ幼稚園には歌い継ぐ使命が有るだろう。新しい歌、流行の歌もい
い。だが、こうした歌をたくさん、たくさん子どもたちに歌い継いで欲しい。
〇子どもたちに本物の音楽を
“小さい時に本物の音を聞かせてあげることがとても大事であり、これが音楽のいい方向に
つながっていく”これは世界的指揮者の小澤征爾さんの言葉であるが、小さい時に生の音、本
物の音をたっぷり浴びた子は豊かになる。子どもは本物が解る。感動を言葉で表現できなくて
も心で感じている。だからこそ一番良いも、本物を与えなければいけない。子ども達に様々
な楽器を紹介し、それぞれの特有な音色、奏でるハーモニーの美しさを是非、大人が生で聞か
せてあげて欲しい。
〇最後に皆で
一つ一つの言葉を大切にする歌い方、歌の情景が思い描ける為の環境の工夫や、音楽に情感を
加える方法等ご指導いただいた後、皆で様々な曲を合奏、合唱し音楽の楽しさ、心地よさを感
じながら会を終えた。
幼児の音楽教育は、教え込んで詰め込むこと、覚えさせるものではありません。まして行事
の為に集中的に特訓するものでもありません。そうすると、もしかすると音楽との出会いが苦
痛な体験になってしまうかもしれないでしょう。
子どもが心から音楽を楽しみ、音楽に親しめるかどうかは、教師がどう出会わせていくかに
よるところが大きいということを改めて実感しました。子どもの日常生活の中に自然と音楽が
溶け込み、心豊かな体験となるよう今回の学びを生かしていきたいと思います。
ロザリオ学園 教育部
上田 礼子
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