2017.12.07 ブログ
毎年クリススが近づいて来ると、マザー・テレサがシスターたちに伝えた「飼い葉桶」の飾りに関する話について思い出します。
インドのカルカッタにある、マザー・テレサが創立した修道会「神の愛の宣教者会」の本部修道院には、待降節(イエス様の御降誕までの4週間を待降節といいます。)になると馬小屋を出し、飾り付けをしていました。
ある朝、マザー・テレサはシスターたちを呼び集め、馬小屋の中央に置かれた空の飼い葉桶を指差しながら次のように話しました。「これからクリスマスが来るまでに、イエス様のために出来る限りの犠牲を捧げなさい。そして犠牲を捧げるたびにここへ来て、飼い葉桶の中にわらを一本入れなさい。」
道後聖母幼稚園でも、待降節になると各クラスに馬小屋を出します。そして、子どもたちは、一人ひとり紙粘土で小さな羊を作ります。この羊を飼い葉桶の周りに置き、子どもたちは毎日自分の羊を少しずつ動かし、空の飼い葉桶に近付けていきます。この粘土の羊の動きには、カルカッタ修道院シスターたちが飼い葉桶にわらを一本ずつ入れたことと同じ意味があります。園児たちが、毎日粘土の羊を馬小屋に近付け、自分の心を綺麗にしているのです。
友達と仲良くして遊ぼうという気持ち、困っている友達を助けようという気持ち、お母さんのお手伝いをしようという気持ち・・・。
毎日、綺麗な心でイエス様をお迎えしようと心の準備をします。
クリスマス会の朝、小さな白い羊たちに囲まれて、生まれたばかりのイエス様が飼い葉桶の中に来て下さっています。登園した子どもたちは飼葉桶を覗き込み、目を丸くして見つめたり、優しく微笑んで友達と喜びあったりします。
クリスマス会の最後に、馬小屋の周りにロウソクを灯し、子どもたちと保護者の方々とイエス様のご降誕をお祝いします。教師は「ここに入っている粘土の羊たちの一匹一匹は、皆さんの愛のしるしです。粘土の羊を作った時、毎日自分が作った羊を動かした時にも、皆さんの心にはたくさんの優しい気持ちがありましたね。自分ではなく、誰かのために心を使うことを愛といいます。今、この馬小屋だけでなく、皆さんの心も優しさに包まれてイエス様をお迎えすることができましたね。」と伝えます。
生まれてくる幼子イエスを、寒々しい心の飼い葉桶に迎えることなく、また、世界中の人々が優しい気持ちで暖かいクリスマスを迎えることができるように神様とマリア様に祝福とお守りを心から願っています。
ゴンザレス・アルベルト・サイズ神父
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