2016.05.26 日誌
家族から離れ、初めて小さな社会の中に足を踏み入れた新入園児。
出会う人や、生活の仕方も初めてのことばかり。
わからないことばかりで不安もいっぱい。
そんな新入園児の側に、自然に寄り添う子どもの姿があちらこちらで見られる。
「大丈夫?いたかったねぇ。先生のとこに行こう。」
「ここから手を出して。」
「そうそう上手。」
「お襟、だしてあげるね。」
「出来たよ。」と、
新入園児の背の高さにあわせるように、
ひざまづいてのお手伝い。
はじめ不安そうだった顔が、
だんだん安心した表情に変わっていく。
こちらの3人。
年長さんと年中さんと新入園児の年少さん。
「〇〇ちゃんも年少さんの時、泣きよったんよ。」と、
年中さんに去年の様子を話す年長さん。
ええ?本当?と、ちょっと照れくさそう。
登園してきて、下駄箱で、自分の手荷物はポイポイと、
おかまいなしの年少さん。
”あらあら、しょうがないわねぇ”というようにだまって拾い、
あとから持っていってあげる年長さん。
小さなお母さんのよう。
こちらは、年長さんがしていることを隣で見ている年少さん。
私もしたいなぁ…。と、興味津々。
こうしてするのよ。と、
教えてあげます。
自分でやり始めると、手をださず黙って見守ります。
時々、困ったところだけアドバイス。
そして、もう大丈夫。
そう思うと、近くで違う活動を始めた年長さん。
まるで小さな先生のよう。それも、相手が何を手伝ってもらいたいか、どう、手伝ってもらいたいかを、
ちゃんとわかっている、とびっきり上手な先生だ。
そして、こちらは廊下に水をこぼしてしまい、困った顔の年少さん。
それを見ていた一つ年上の子が、
「ここにタオルがあるのよ。」「これでふけばいいよ。」
と、教えてあげます。
そして、ふきはじめました。
”あなたがこぼしたんだから、あなたがふきなさい。”
と、つい言いそうになるが、そんなことは言わず、
黙ってふいてあげます。
しかし、その仕方を側でじっとみていた年少さん。
きっといつかまた水をこぼしてしまった時には、
このお姉さんのように、タオルをもってきてふくことが
できるのだろう。
そのいつかの日に、つながっていることを感じる。
子どもたちの姿を見ながら、人は自分がしてもらった体験は、大きくなった時、
同じようにしてあげることができるようになるのだという事をつくづく思う。
こうした伝承が、たて割り保育の中で、脈々と続いていることを嬉しく思う。
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