2022.10.14 海の星幼稚園 ブログ
海の星幼稚園の新しい玄関ホールには、とても美しいコバルトブルーのステンドグラスが飾られています。
これらは、ステンドグラス作家 志田政人 さんの作品です。
「海の星」をテーマに、私たちのために制作してくださいました。
志田さんのどのような気持ちが込められた作品か、作品と共に解説をご紹介します。
玄関ホールの真正面に飾られているのは、帆船のステンドグラスです。
(志田さんの解説)
「中世、荒波の海に漕ぎ出していく帆船をテーマにした作品です。
十字の旗を描きましたが、これは未知の世界に布教のために命がけで出かけて行った
宣教師たちの勇気を表し、それは現在の子供たちが、どんどん成長し、
親や先生たちの保護の無い、荒波に漕ぎ出していく勇気をも表しています。
今回使用したガラスは、手吹きの技術の中でも最も難しい、
シャマレー(ストリーキー)ガラスという、二層のガラスで、
二層目のコバルトブルーが墨流しのように荒れた海を表現しています。
絵付けに使用した顔料も、19世紀にラ・クロワというフランス人グリザイユ制作者が
残した貴重なものです。
室内に設置された作品なので、今後1千年はこのままの形で残ります。』
そして、その周囲をかこっているのは、海を表現した8点の作品です。
(志田さんの解説)
「上記の帆船パネルを取り巻く、海を表現した作品です。
水平線と海、空と波を抽象的なラインで表現しています。
このガラスは手吹きのアンティークガラスではなく、
80年程前に作られたキャセドラルガラスという、
フランス製の型板ガラスです。
ガラスの表面に凸凹のマチエールが付いているため光を
多く反射し、見る時間や季節により、印象や輝きが変化します。』
玄関ホールに一歩入ると、ステンドグラスから様々な色の光が差し込みます。
その柔らかな光に包まれて、園児たちは自分たちの教室へ向かいます。
大量生産されたのものではなく、たった1点の本物の作品との出会いは、
きっと子どもたちの五感に触れていることでしょう。
穏やかだったり神秘的だったり、様々な表情を見せてくれる海。そして時に荒れる海。
その荒波に向かって進む勇気を、この作品を見て感じてもらえればな、と思います。
※今回使用したシャマレーガラスをフランスで吹いている時の職人の様子
※絵付け前のガラスと志田さん
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