2022.07.22 ロザリオ学園 ブログ
7月4日から1週間、校区の中学生が進路学習の一環として「ジョブチャレンジU―15」の実施の為、職場体験に来ました。男子2名、女子3名、計5名を受け入れました。私たちの職業を実際に体験し、生徒にとってかけがえのない体験となり進路選択の1つにあげてほしいと願い受け入れることにしました。
初めにオリエンテーションに来た時に「なぜ幼稚園という職業を選んだの?」と聞いてみました。「幼稚園の時がとても楽しかったし、先生がいつも優しかった」「子どもが好きだからです」と答えてくれました。この5名の中には1名卒園生が含まれており、なんと私の教え子でした。
4日の初日 中学生から緊張しているのが感じ取れたので「笑顔で子どもと接してあげてね」と声を掛け、朝の登園時の受け入れを任せました。子ども達に中学生が「おはよう!」と声を掛けますが、子ども達は「誰?」と言わんばかりの顔で素通り。女子生徒のAさんは小さい妹がいるためか、子どもの目線まで降りて「おはよう!」とあまり大きくない声で挨拶すると、年長の女の子は「おはよう!」と挨拶を交わしていました。この姿を見て、さすがだなと感心しました。
男子生徒Bさんは体も大きく声も大きいため、そして何より男の人なので、子ども達の警戒モードが発令中でした。しかしこのBさん、少しずつ少しずつ目線が下がり、声も抑え気味になり、途中から可愛い笑顔と共に「おはよう!」と声を掛けることで、子どもからキラキラした反応を貰っていました。
また、別の男子生徒Cさんはなかなか声が掛けられず、どうしたらいいのか、手伝っていいのかと少し消極的でしたが、子どもの方から「誰?なにしにきたん?」と声を掛けられることで、少し安心した表情が出てきました。
すぐに子ども達と打ち解けていき、外でダイナミックに鬼ごっこをしたり、一緒にプールに入って水遊びをしたりして全身びしょぬれでした。お昼には子ども達から「一緒に食べよう」とお誘いの嵐でした。
また私たちの仕事で大切な<着替え>も体験してもらいました。女子生徒Dさんはおそるおそる2歳児のおむつ替えを体験しました。「えっ、どうしよう、どうしたらいいですか?」と戸惑っていたので担当の教師に教えてもらっていました。そして「足をあげてここに入れるよ」優しく目を見て促していました。
お帰りの集まり時には絵本を読んでもらいました。Bさんは「緊張する、汗がやばいかも!」と。子ども達はいつもと違う絵本の世界にのめり込んでいました。絵本を読み終えたBさんの表情が晴れ晴れとしていてとても印象的でした。
そして子ども達が帰った後の毎日の掃除。Cさんはトイレ掃除をしながら「あーえーはー。」とため息交じり。教師が声を掛けると「なんか無理です。学校でもトイレ掃除からはずれてたから」と言ったそうです。しかし、トイレ掃除の重要性や汚れているところをきれいにすること、こういうことも仕事の一つであることを知らせていきました。
1週間の経験を通して最後に感想を聞くと
「こんなにもお金を稼ぐには苦労があるし、大変なんだなと身に染みてわかりました」
「幼稚園の先生の仕事は本当に大変で僕たちは1日でバテバテだったけど先生たちは平気でやってて凄いなと思いました。」
「子どものためにこんなにも教材や環境整備などされている。私は幼稚園の時に何も考えないで好きなだけ使っていました。大切につかってほしいし、大切にしないとと思いました。」
と話してくれました。
コロナ禍の中でしたが、幼稚園として中学生を受け入れてとても良かったと思いました。私たち教師もたくさんの刺激をもらいました。5人の中学生が将来どんな職業を選ぶかわかりませんが、選択肢の1つに幼稚園教諭という仕事が入ることを願っています。子ども達にとってもなかなか中学生と触れ合える機会がない中、大きいお姉さん・お兄さんと過ごしたこの1週間はいい経験になったと思います。こういう機会があればこれからもどんどん取り入れていきたいと思いました。
西条聖マリア幼稚園
園長 村井カオリ
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