2022.06.07 若葉幼稚園 ブログ
幼稚園で生活をしていると、子どもたちは様々な生き物に出会います。
ありやナメクジ、くもなど大人からすると『いるのが当たり前』の生き物でも、子どもたちは見つけると”くもがいる!!””ありだ!!”とじーっと観察します。
先日は廊下に何か生き物がいるのを子どもたちが見つけました。
”何かいるの?”と聞くと、”あそこあそこ!!!”と教えてくれましたが、初めはどこにいるのかわからず・・・
その虫が降りてきたときにようやく見つけました。
こんな小さな生き物が天井近くにいることにも気づくなんて、子どもの観察力はすごいですね。
そんな中、各クラスでそれぞれいろいろな生き物を飼っています。
こちらはアゲハチョウの幼虫です。
アゲハチョウの幼虫は初めは黒い色をしていますが、大きくなると緑色に変わります。
その変化がわかりやすく面白いようで、子どもたちは毎日朝登園すると幼虫の様子を見に行きます。
中には名前を付けて可愛がったり、
そのしくみに興味を持ち、図鑑で調べたりする人も。
年少さんも幼虫とじーーっと見つめ合い、気づけば10分・・・。
何か話をしているのかもしれませんね。
そんな成長を年長児は観察記録につけていきます。
幼虫の姿を絵で描き、その日どんな様子か書き記していきます。
初めは、”何書けばいいの?”と困っていた子どもたちもだんだんと幼虫の様子が変わっていくことや日々の姿の違いに気が付き始めました。
”きょうはあんまりうごかないよ”
”いっぱいはっぱをたべています”
”だっぴをしました”
自分の言葉で日記をつけていきました。
でも、中には大切にお世話をしていてもうまくいかず、死んでしまう幼虫もいました。
動かなくなった幼虫を見る子どもたちは辛そうで、”どうしたらよかったんかなぁ””なんで死んでしまったんやろう”と考えます。
そして、死んでしまった幼虫は”お墓を作ってくる”と、土にそっと埋めてあげました。
場所は、他の人に踏まれないように、掘られないように、園庭の端っこを選びました。
そんな風に約1か月間、一緒に過ごした幼虫が最近ちょうちょになり始めました。
”やっとちょうちょになったーー!!”
ちょうちょになった姿を見る度に喜び、子どもたちが虫かごの周りに集まってきます。
そして、”羽の模様綺麗やねぇ”と観察したり、”オスとメスってどこでわかるんかなぁ?”と疑問を抱いたり。
近くで実際に見ないと気づかないことや自分たちが育てたからこそ感じることがたくさんあります。
そうしてみんなが観察したあと・・・
『このちょうちょ、どうする?』と子どもたちに問いかけると、年長児や年中児は”逃がしてあげよう”とすぐに答えました。
でも、年少さんたちは”いやだ”と。
『そっか、なんで逃がしたくないの?』と尋ねると、”ここにいたほうがいつでもみんなが会えるから”。
これも、成長を見守ってきたからこその親心なんでしょう。
そんな年少さんにみんなが伝えてあげていました。
”でも、ここにはご飯がないからすぐに死んじゃうよ”
”いっぱい飛びたいのに、こんな狭いところじゃ羽がちぎれてしまうよ”
”きっと、お母さんのところに早く行きたがってるよ”
すると、初めは”わたしがお花とってきて飼うから大丈夫!”と言っていた年少さんも少しずつちょうちょの気持ちがわかってきたようで、最後は逃がしてあげることを決めました。
そして、虫かごの蓋を開けてあげると・・・
すぐに飛んでいくのかと思いきやなかなか飛び立たないちょうちょ。
子どもたちとのお別れを寂しがってくれているのかもしれませんね。
中にはずっとお世話をしてくれた年長児の指に止まってなかなか動かないちょうちょもいました。
今までありがとうって言ってるみたいですね。
そしてお別れを済ませ、飛んでいくちょうちょたち。
”ばいばーい”
”元気でねーーー!!”
生き物を飼うというのは、ただカゴに生き物を入れているだけではいけません。
ご飯をあげたり、住む場所を作ってあげたり、生き物に心を寄せてあげることが大切です。
この観察をする中で年長児が”毎日大変やなぁ”と言っていました。
一つのいのちを預かるというのはそれくらい大変なことなんです。
それを感じた子は、一生懸命心を寄せてお世話をしてあげられているということだと思います。
これからも子どもたちは様々な生き物に出会うと思いますが、どの生き物にも命があり、生き物は私たちと一緒に暮らしているんだということを少しでも感じてもらえていたらいいなぁと思います。
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