2024.06.26 ロザリオ学園 ブログ
6月8日(土)南予地区学習会に参加をし、おはなし屋えっちゃんこと武知悦子先生に
絵本の読み聞かせについてご指導いただきました。普段、絵本を読むことの多い私たちも、この日は聞き手役。武知先生の声色や表情、動き、時には楽器を使った絵本の世界にグッと引き込まれたのでした。「たべものだあれ」は、想像力を誘う仕掛けになっていて、きっと子どもたちも絵本を見ながら様々な思いを巡らせているのだと感じました。
一番印象に残ったのは、『絵本は絵を読む』ということです。「みなさんは、絵を楽しんでいますか?」大人は文字を追うことに集中しがちですが、子どもは絵をよく見ているそうです。確かに、武知先生の声を聞きながら絵に注目してみると、作者の意図した小さなしかけを発見し、新たな絵本の楽しみ方を知ることができました。
園では、降園前の時間を利用して読み聞かせをしています。「今日の絵本は何かな?」と子どもたちが楽しみにしている時間でもありますが、絵本への興味は子どもによって様々な様子も伺えます。同じ場で夢中になって絵本のお話に引き込まれる友だちの姿を目にすることも大切な経験。紹介した絵本は室内の本棚へ置いているのですが、翌日にはそれぞれに絵本とかかわる姿があります。手に取って自分で読めるようになった平仮名を一文字ずつ指でたどりながら読んでいる子、ページをめくりながら絵を見て楽しむ子、年下の友だちに読み聞かせをしてくれる子。そのような経験を重ねていくことも、絵本の楽しさに気付くきっかけなのではないかと思います。
私のお気に入りは、優しいタッチで描かれた絵が印象的な『どうぞのいす』。子どもの頃から好きな絵本です。
順々に登場する動物たちが、うさぎが作った椅子でひと休みをしていきます。「どうぞのいす」と書かれた看板を見て、前の人が置いていった食べ物を「どうぞならば遠慮なくいただきましょう。」と食べてしまうのですが、立ち去る時には「からっぽにしてしまっては後の人にお気の毒。」と自分の持っていた食べ物を代わりに置いていくのです。次の人への思いやりと優しさが繰り返されるお話で、ほっこり温かい気持ちになります。
教師になってからは、読み聞かせ以外にもペープサートや劇遊びをするほど。私にとっては、愛和聖母の子どもたちとの思い出がたくさん詰まった、大切な1冊となっています。
子どもたちと絵本との出会いには、仲介役としての教師の役割が大きいように感じます。
そのことを心掛けながら、選ぶ絵本や子どもたちとの読み聞かせの時間を大切に、いつまでも子どもたちと同じ目線で絵本を楽しめる教師でありたいと思います。子どもたちのお気に入りの絵本が見つかりますように。
愛和聖母幼稚園
土居美南子
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