2023.08.25 ロザリオ学園 ブログ
猛暑が続く2023年夏。
ロザリオ学園の教師の学び舎である京都モンテッソーリ教師養成コース創立50周年記念講習会が京都の地で開催された。
50周年という節目の年に掲げられたテーマは、まさしく
「平和を築く子どもたちと共に」であった。
今や多くの人に知られるようになったモンテッソーリ教育であるが、
この教育を生みだしたマリア・モンテッソーリは第一次世界大戦、
第二次世界大戦と戦火を生き抜く中で、モンテッソーリ教育を通して、
生涯、平和教育の普及に努めたと言われており、まさしく、
平和教育は究極の目的であったと言えよう。
今回の研修を通して、モンテッソーリ教育に込められる平和について、改めて考える機会となった。
その学びの一端を紹介させていただくと、
─ モンテッソーリ教育における平和教育とは ─
・多様性を受け入れる
縦割りクラスの中で、年上、年下、多様な人との出会い、
かかわりを通して助け合い、思いやり合うこと、そして、
他社との違いを知り、その違いを尊重し、互いに認めあう
姿勢が身についていく。
・自己充実を図る
多種多様な環境の中から、自分の発達段階にあった自己の
能力を十分に発揮できる活動に心行くまで取り組むことで、
内面が穏やかになり、安定した精神となる。
・強い意志を育てる
何をするか、どうするか選び、決め、実行する生活を
繰り返すことによって、責任感の伴う強い意志力を育んでいく。
こうしたモンテッソーリ教育の特徴である一人ひとりの個性を発揮しながら、自分らしく生きる毎日にこそ、真の平和教育の土台があり、少なくとも自分も他者も大切にできる世の中への第一歩になると私なりに考える。
「平和教育」この壮大なテーマは、まだ幼き子どもとは結びつきにくく、かけ離れたことであるように感じるかもしれない。
しかし、これからの時代を創るのは間違いなくこの子どもたちであり、将来、様々な問題を解決する可能性を大いに秘めている子どもたちなのである。
「平和への願いを込めた教育の積み重ねが、これからの時代の平和をもたらしてくれる。」
と語り、活動を続けたマリア・モンテッソーリの墓碑には、次のような言葉が刻まれている。
“あらゆる可能性をもつ愛する子どもたちにお願いします。
人類と世界の平和を築くために、私と一緒になってください“
日本中が平和への祈りに包まれる夏。
平和な世を心から願い、平和を築く子どもたちと共に
歩んでまいりたい。
海の星幼稚園
園長 上田 礼子
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