2023.06.30 ロザリオ学園 ブログ
去る6月19日、海の星幼稚園の園児がわたしの住んでいる松山教会に礼拝にやってきました。海の星幼稚園は他のロザリオ学園の幼稚園と違い、教会が幼稚園に隣接されていないので、わたしが海の星幼稚園のチャプレンになってから、年長児を対象に1つの学期に1回、計3回の教会礼拝を行うことになりました。
わたしが海の星幼稚園のチャプレンになるときに、ホアン理事長から「他のロザリオ学園の園児と違って、海の星幼稚園の園児たちは教会が幼稚園にないので、教会でお祈りすることを知らない。だから、園児たちに教会で祈ることを体験させてほしい」と頼まれました。
実際、わたしが海の星幼稚園のチャプレンになって園児たちに祈りをし、神様のお話をして、園児たちが聖堂という場所を経験したことを感じました。それは、園児たちの祈る姿がどこか他人行儀で、自分の心から出たものではないと思ったからです。そこで、やはり教会という場所に園児たちに来てもらって、教会で祈ることが大事だと確信しました。
わたしが海の星幼稚園のチャプレンになって最初の年、園児たちが松山教会にやってきた時のことはよく覚えています。そのとき、大半の園児が驚きながら、教会を見回していました。
教会礼拝は大体30分ぐらいですが、わたしが話をするのは10分です。その他の時間は聖堂に入る時のマナーを説明し、園児たちが聖堂の入退堂をする時間です。それも園児たちにおじぎを手取り足取り教え、聖堂での歩き方や座り方を説明するのは想像していたより手間のかかるものでした。
初年度の最初の教会礼拝が終わった後、園児たちがマリア像の前で自発的に手を合わせて祈るようになったと園長先生から聞いたことは今でも忘れられません。これはわたしにとって非常に大きな喜びでした。幼稚園にあるマリア像やホールの中で体験できない「祈り」を園児たちが体験し、それを少しでも幼稚園の中でやろうとしてくれたのが何よりもうれしかったのです。
園児たちが教会で祈ることは神様の話を聞くよりも大事だと思っています。なぜなら、神様の話を聞くよりも、神様がおられる聖堂に来て祈ることにかなわないからです。わたしは園児たちが教会礼拝をどのように感じているかを尋ねることはほとんどありません。あまり尋ねる必要を感じないからです。
ただ、教会に来て祈ることを一度でも体験することは、園児たちの心に信仰の種を植え付けてくれるとわたしは信じています。なぜなら、たとえ教会礼拝が3回しかなく、園児たちにとってわずかな体験だったとしても、園児たちが大人になったときにその実りが何らかの形で表れるとわたしは信じているからです。
川上栄治神父
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