2023.03.31 ロザリオ学園 ブログ
先日、娘を公園で遊ばせていると、ついこの間まで全くできなかった雲梯ができるようになっていました。
驚いて娘に話を聞くと、少し前に園で開催されたオリンピック大会に向けて何度も練習してできるようになったとのこと。
オリンピック大会は、年長児がそれぞれ、縄跳びや鉄棒、雲梯などの種目に対して自分で目標を立てて練習し、発表する場です。このオリンピック大会のすごいところは、種目数も種目に対する目標も全て子供自身が考えて決めるという点です。つまり、一人ひとりが自分で決めた異なる目標に挑戦するのです。
子育てをしているとフラッシュバックのように自分の子供の頃のことをふと思い出すことがあります。私は運動が苦手でした。体育の授業では、実技を評価されることで、運動に対する劣等感はさらに増しました。
同じ時間しか練習してないはずなのに上手くできる子が先生に褒められ、できない子は自信を失う。そういったことに対する子供の頃抱いた違和感は今でも覚えています。
このオリンピック大会の話を娘から聞いたとき、私が抱いていた違和感は、得意、不得意が異なる個性豊かな自分達が一律に同じことをさせられ、評価されることに対してだったことに気付きました。
目標も種目数も人それぞれ違うオリンピック大会。そこに他者に決められた目標や評価はありません。そこにあるのは、自分がどう成長したいのかという希望とそれを叶えるための努力、そしてそれに伴う自身の成長を認める時間です。
娘を見ているとオリンピック大会を通してまた少し自信をつけたように思います。
昔読んだある本にモチベーションのあげ方についてこう書かれていました。「私たちは生物です。生物は自分のためということが全てにおける一番の原動力になります。つまり、動機が自分自身であるときに人は一番力を発揮できるのです。」
娘が短期間で雲梯をできるようになった理由は色々あると思います。でも、私はこの本に書かれてあるように挑戦の動機が他人ではなく自分であったことが、彼女の成長する力になったのだと思います。
娘はもうすぐこの園を卒園します。親子でこの園で多くのことを学びました。この先も子供の心配は耐えることはないでしょう。それでも、子供は常に子供自身で成長する力を持っており、その力は子供自身が自ら成長したいという気持ちが生まれたときにこそ発揮されるのだということを忘れずにいたいと思います。そして何より、成長する時期も成長する部分も一律ではなく、子供によって違うからこそ1人1人が素晴らしい存在なのだということを心に止めておきたいと思います。
海の星幼稚園
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